10月 11, 2010
"◇遺伝資源--各国利害が対立  魚、木綿、材木……。私たちの衣食住は、生き物を利用することで支えられている。医薬品も例外ではない。世界で3000万人が服用する抗コレステロール薬「スタチン」は、ノーベル賞候補に挙げられる遠藤章・東京農工大特別栄誉教授が青カビから得られた物質から開発した。  20世紀後半になると、遺伝子を人工的に操作する技術が開発され、農作物や医薬品の開発に利用されるようになった。生物は遺伝子を持った「資源」と考えられるようになり「遺伝資源」という言葉も生まれた。  遺伝資源の保護が問われる一方で、食料品や医薬品として大きな利益を生み出すため、世界中で争奪戦が激しくなっている。遺伝資源が集中しているのは自然が豊かな途上国だ。トマトやジャガイモは南米原産、リンゴやブドウは中央アジア原産だ。アフリカに分布するフーディアという植物は、ダイエット食品に使われている。途上国の人々は「先進国の豊かな生活を支えているのは途上国にあった物であり、勝手に持ち出された」と不満を募らせた。  先進国に対する批判が高まり、93年に発効したのが生物多様性条約だった。遺伝資源を利用する際には資源提供国の事前同意を得ることや遺伝資源から生じる利益を配分することなどを盛り込んでいる。  名古屋会議では、これらをルールとして具体化する「名古屋議定書」の採択を目指す。だが、途上国は利益配分の対象を拡大しようと、条約発効前に持ち出された物も含めるように訴える。また、遺伝資源の不正利用を監視するため、企業や研究機関が特許申請時に入手先を公表するよう求める。これに対し、先進国は際限なく要求が増えることを警戒するほか「手続きが煩雑になる」として途上国の主張に反発している。"

いのちの条約:COP10・NAGOYA 国際社会の知恵結集 - 毎日jp(毎日新聞)